おしっこが出にくい
高齢になると男の悩みはおしっこが出にくくなることです。今回はその原因の一つと考えられる、排尿機能の障害について自分の症例から考えてみましょう。勿論症例の中で完治に至る治療法を紹介しています。泌尿器官だけの問題ではなく、脳の方にも原因があることが分かります。
膀胱のみが排尿の役目をしているわけではない
若いときは排尿についての悩みはありませんでした。それが高齢になると、「小便が出にくい」「しょんべん切れが悪い」「「小便が出ない」「夜中に何回も起きてトイレに通う」「頻尿になった」などの悩みがいつの間にか起きてきます。
今回は小便が出ない例はほかの原因が考えられるので、ページを改めて考えます。今回は出ることは出るが排尿困難の場合を取り上げましょう。全くでないのは前立腺肥大やがん、膀胱の問題が考えられるので扱いません。単に小便のコントロールが難しくなった治療例を取り上げます。
骨盤底筋の働き
若いときは公衆便所に並んでも、年寄りがなかなか終わらないのをみて、長いなあ?と思っていました。ところがいざ自分がそのくらいの年齢になった時に気が付くのは、いざ排尿と思っても中々出てこないことです。お腹に力を入れても踏ん張っても、思うようにいかなくなっていることに気が付くのです。その対策は下半身の排尿を担当する筋肉を鍛えることなのですが、なかなか難しいことです。
おしっこをスムーズに出すための鍼
約半年前に脳梗塞で1月入院して、今は自宅でリハビリ療養中です。10年前に脳溢血を発症して9割方元に戻っていたと思いましたが、完治ではなかったのですね。突然脳梗塞を発症してしまいました。脳溢血のダメージが10年間残っていて、精密検査をしましたがどこか分からないところに血栓がたまっていたようなのです。
やっとスクワットを始めて順調に回復していると思いますが、もっと回復のスピードを上げようと脳をさらに知ろうと思いました。
大脳皮質の中心前回と言われる部分が、第1次運動野と呼ばれ運動命令を出すところです。ここの働きをイラストや人形で表したのがホムンクルスと呼ばれています。
この部分を刺激できるツボは、脳溢血を発症後5年の間に見つけ出したものです。高麗手指鍼の中にはありませんでした。
中央後回は前回の後ろにあり、身体から戻ってきた感覚を受け取る場所になります。
ホムンクルスで表されるのは、手足顔が主になるのでその他の部分には深く関心を持ちませんでした。ところがもう少し脳研究の成果を調べようと検索していました。
大脳皮質帯状回は関心を持ったことはありませんでした。残念ながらここを刺激するツボは、現在のところありません。
その他の部分中央前回を調べ直していたら、会陰に関連する部分がここにあると書いてあることを発見しました。そこで会陰なら簡単にツボの発見は出来ます。前立腺膀胱 精巣などのツボはすでにありますので、治療をしました。
特に注意したところは会陰です。骨盤底筋群と呼ばれる筋肉群に含まれるもので、尿道括約筋 肛門挙筋などがあり排尿排便には重要なものです。
中央前回の会陰は、手のひらの中に体を見立ててその部分に当たるところではありません。手のひらを脳に見立ててその中の中央前回の中に、会陰と共鳴する部分すなわちツボを見つけます。
排尿困難の鍼治療例
症例1 71歳 男性
20/03/08中央前回会陰部の刺激 念のため前立腺、膀胱 のツボをとりました。経絡は腎経中心に行いました。
20/03/09今朝排尿時は変わりました。小便をしようと意識しても、なかなかでなかったのがすぐではないのですが、尿道を尿が通っているのを感じたらすぐに出てきました。膀胱あたりに力を入れても今まではなかなか出ず、残尿感もあったのですがそれは無くなった感じがします。何か膀胱に押し出す力が戻ったようです。
20/03/10今朝は1時間ほど寝落ちの後、明け方まで4時間寝て、さらに3時間も寝てしまいました。スクワットで疲れたかもしれません。トイレに行くと膀胱はパンパンです。いざ用意と立つと、ほどなく出てきました。自分の意志で排尿のコントローする感じが出てきていました。やはり器官の問題ではなく、脳の衰え障害の方が影響しているのですね。いま少し膀胱に力が入れば完璧ですが。また明日ですね。